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「ナイジェリアは足もとの技術もある」
遠藤航が語るリオでの戦い方、現在位置

開幕間近。遠藤航が語る、対戦国の特徴と、日本代表のストロングポイント

■ピッチ外でも深まる一体感、岩波拓也の存在
 

 ピッチ外においてもチームは一体感を強めています。
 そこに欠かせないのはタク(岩波拓也)です。タクは、(見かけによらず)ものすごく几帳面で、代表メンバーが選ばれるごとにグループLINEを設定し直し、一体感を生むツールとして提供してくれています。実際、遠征に出ているときに誰かが誕生日を迎えれば、みんなでお祝いをし、記念撮影をし、そのグループLINEで共有するというのは恒例化しています。
 ほかにも、タクはアジア予選のときに日本の国旗をわざわざ買って持って来ており、そこに全員が一言と名前を書いてつねにベンチに置いていました。僕自身も腕に巻かれたキャプテンマークの裏には監督と選手全員の名前が書かれています。

 こうしたことはピッチ上のサッカーとは関係ないことではありますが、とても大事なことなのではないかと思っています。

 さながら部活のような雰囲気ですが、それだけみんながひとつの目標――メダル獲得――に向かってまとまっているという裏返しでもあると思います。
 
 グループリーグで対戦する相手はいずれも侮れない強国です。
 初戦で対戦するナイジェリアは、大きくて、身体能力が高い。それでいて、意外に足もとの技術もあります。親善試合で南アフリカと対戦しましたが、彼らより戦術的にも統率が取れているというイメージもあります。攻撃的な両ウィングはスピードもあるので、まずそこをしっかりケアをして、失点をしないこと。一方で、守備のラインコントロールなどには付け入る隙があるように思っているので、一瞬の隙をついて速い攻撃を仕掛けて行きたいと思います。

 コロンビア戦は、僕としては一番、興味深い試合ができるのではないかなとイメージしています。グループリーグの3チームの中では一番フィジカルが強いチームだと思いますが、球際の部分でしっかり対抗できるパワーを出していくことで、内容的にはとても面白いゲームができるのではないでしょうか。

 そして第三戦のスウェーデン。このヨーロッパ王者は、選手としてもチームとしても高い能力と統率力があります。特に、いまトレンドになっている攻守の切り替えや、運動量、そして縦に速くという部分をしっかり体現できているチームに、僕たちがどれだけやれるか楽しみです。
 これまで世界で戦う「切符」すら手に入れることができなかった僕らの世代。そんなチームが一体となって「頑張る」姿をこの大会で見せつけたいと思っています。

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遠藤 航

えんどう わたる

浦和レッズ

1993年2月9日生まれ。神奈川県横浜市出身。

2008年に湘南ベルマーレユースへ加入すると、2010年には2種登録選手としてJ1で6試合に出場し1得点。翌年に、正式にトップチームへ昇格、主にセンターバックとして活躍する。各年代の日本代表にも招集され、リオ五輪を目指すU-23代表では主将を務め、リオ五輪代表出場権を勝ち取った。2016年シーズンより浦和レッズに移籍。



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